転校先のアメリカの小学校で真っ先に友だちになったルネは、勉強がよくできて、バレーを習っていて、容姿端麗で男子にも人気ナンバーワン。
高校生の姉がいたからなのかもしれませんが小学3年生にしては大人びた感じの女の子でした。
英語がおぼつかない私のお世話をしようと思っていたのか、校内ではいつも一緒に過ごし、放課後は互いの家を行き来していました。そんな彼女との思い出をご紹介します。
■わちゅまこーり
ルネが時折、眉間にしわを寄せながら会話の端々にはさむフレーズ。
一体どんな意味なんだろう?
インターネットのない時代のことです。父が英和辞書であれこれ調べてくれましたが、正解は分からず仕舞い。
それがYou know?と同じようなタイミングで使われる
Whatchamacallit. = What you may call it.=ほら、なんだっけ、あれあれ
であるとも知らず、いつの間にか自分も「わちゅまこーり」を連発するようになっていました。
■Blood sisters
「私たちBlood sistersなんだ!」
ルネが下級生の女の子を紹介してくれた時、ちょっと自慢気に言いました。
血の姉妹とは?
見た目も苗字も全然違うけれど、ふたりは親戚ということなの?
「Blood sistersって何のこと?」
「あのね、腕にちょこっと傷をつけて、血が出たら、お互いにそれをくっつけるの」
「そうするとBlood sistersになれるんだよ」
とひそひそ声で秘密を打ち明けるように教えてくれました。
「あなたもなる?Blood sisterに?」
血が出るのはなんだか痛そうです。絵本で読んだ魔法使いの儀式のようだけれど…ちょっと怖いなと思い丁重に辞退したのでした。
■Good Citizen Award
ある日のこと、全校集会でルネが表彰され賞状をもらいました。
ちょっと誇らしげに、でもそんなに大したことでもないわよーというような顔をして。
後々分かったことですが、毎月クラスで一人、先生から「今月のGood Citizenはあなたです」と名指しされ、全校集会で賞状をもらう仕組みがありました。
明確な選出基準はなく、男女の区別もなく、低学年であれば「困っているクラスメートを助けた」や「Show and tellで非常に立派なプレゼンテーションができた」など、児童生徒の特筆すべき行動を評価していたように思います。
良き市民であることを称えるGood Citizen Awardは、優等生ばかりでなく「心優しいいたずらっ子」や「勉強は苦手だけれど力持ち」にも授与されるなど、一人一人の良いところをクラス全体で再認識することができる素敵な制度だったと思います。
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