イギリスの花火、Bonfire Night

コロナの規制がなくなった今年は、各地で夏祭りや花火大会が通常通り開催されましたね。夜空を彩る大輪の花火に「夏が戻ってきた!」と感じる方も多かったのではないでしょうか。私もその一人で、パッと打ちあがり余韻を感じさせながら散っていく姿を久々に目にし、思わず見入ってしまいました。また花火の種類の多さにも改めて気づかされました。
日本の花火の多くは、夏に打ち上げられます。これは主に慰霊や疫病退散といった鎮魂の意味合いが強いからといわれているようです。
一方、海外では季節を問わず、新年や何かの記念の折に打ち上げる印象があります。留学していたイギリスでは2回花火を見る機会がありました。新年のカウントダウンと、11月5日のBonfire Nightという日です。今回は後者について紹介します。

Bonfire Night、聞き馴染みがないですよね?私もその日の直前まで全く知りませんでした。ただその日は町のお城兼博物館の入場料が無料になり、夜には花火も上がると聞き、何のお祝いなんだろうと楽しみにしていました。この行事の歴史は、17世紀初頭の国会議事堂爆破未遂事件に由来します。当時の国王に反対する人々により国会議事堂に爆薬が仕掛けられました。しかし実行直前に計画が漏れ、未然に爆発を防ぐことができました。平穏が保たれたことを祝って、11月5日に花火があげられるようになったのです。特にこの日が祝日というわけではありませんが、11月5日前後にはロンドンの国会議事堂をはじめイギリス各地で花火が上がります。かがり火をたいたり、松明を掲げたりするところもあります。私が見たのは大学で上がる花火でしたが、小規模ながらも音楽がかかる中打ち上げられ、盛り上がっていました。多くの学生が集まっていて、やはり花火は人を引き付けるものなんだなと感じました。イギリスでは11月の夜は既に冬の寒さです。寒い中花火を見るのは初めてだったものの、この瞬間だけは寒さを忘れた記憶があります。

皆様のお気に入りの花火、思い出の花火はありますでしょうか?
今回は触れませんでしたが、ロンドンの新年のカウントダウンの花火も心に残っています。日本のように一発一発を楽しむ感覚とは異なりますが、まるで一つのショーを見ているような、豪華で迫力のある演出にわくわくさせられます。もし11月や年末年始にイギリスを訪れる機会がありましたら、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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