毎年話題になるユーキャンの新語•流行語大賞。2021年の大賞は「リアル二刀流/ショータイム」でした。エンゼルスの大谷選手が大活躍した一年でしたので、納得の結果と言えるでしょう。
流行語と言えば、もう一つ注目なのが「egg流行語大賞」です。これはギャル系雑誌「egg」の独自調査による、若い女性の間で特に流行した言葉を対象にしたもので、2021年大賞受賞ワードは「きゃぱい」でした。
これは「キャパシティオーバー」な状態を表す形容詞で、実際にいっぱいいっぱいになって困っているときに「やること多すぎてマジきゃぱい」などと言ったり、また最近の「ヤバい」の用法と同様に良い意味でも使われたりするらしく「これおいしすぎてきゃぱい」といった用法もあるのだとか。
若者の間では突然このような新しい言葉が生まれ、聞いただけではどのような意味なのかすぐにわからないことがあります。
今年はどのような言葉が大賞を取るのか今から年末が楽しみですが、これまでの新語の傾向を元にここでいくつか予想をたててみたいと思います。
予想① くさい(形容詞)
ネットスラングで「面白い」を意味する「(笑)」がいつしか「www」となり、この文字の連なりが草が生えている様子に見えることから、最近では面白いことを「くさ」と言うようになっています。Youtuberなどもしきりに使うので、もはやネットだけでなく小学生の会話などでもよく耳にするこの表現。これは間違いなく近いうちに「くさい」が「面白い」の意味になると予想されます。既にある「臭い」と同じ音、というのもまたなんとも暗号めいていて、つい使いたくなる表現です。
予想② フラぐ(動詞)
「フラグが立つ」「死亡フラグ」なる表現が数年前からよく聞かれるようになりました。これは相手の発言を反語表現に変えてしまうという特殊な言葉で、「今日のテストは余裕だわ」「このボスキャラすぐ倒せるわ」などと事前に言うと逆の(悪い)ことが起きてしまうことがままあり、その現象を旗が立つことになぞらえて「はいそれフラグ」「フラグ立てないでよ」などと言い返す形で使われています。フラグ、という言葉自体は英語からきていますが、響きからしてこれは近いうちにきっと動詞のように「フラがないでよ」「フラいじゃったね」といった使われ方をされるようになるのではないかと予想します。
予想③ こざい(形容詞)
「恥ずかしい」を「はずい」、「難しい」を「むずい」、「懐かしい」を「なつい」といったように、「かしい」の「かし」が略されて使われる現象が最近起きています。「かしい」で終わる形容詞は他にもいくつかありますが、「おかしい」「もどかしい」「輝かしい」などは略してしまうと座りが悪く、あまり使いたくなる表現にはなりませんが、「小賢しい」はどうでしょう。「こざかしい」を略して「こざい」というのはいかにもありそうな気がします。(ただ「小賢しい」と感じること自体があまり日常生活にはないかもしれませんが…)
予想④ とわる(動詞)
先にご紹介したegg流行語大賞で5位になった言葉は「ずっしょ」だったそうです。これは「ずっといっしょ」の略だそうで、「ずっと友達」を意味する「ずっ友」の派生形なのだとか。「ずっと友達」といえばフランス生まれの絵本「リサとガスパール」のアニメ日本語版で、リサは親友ガスパールのことを「とわとも」と称していました。これは「永遠(とわ)に友達」の略なのだそうですが、深い友情を永遠に例える様子がなんとも愛らしく、真似して使いたくなる言葉です。もしかするとこのように友達と永遠を誓い合うこと自体が次第に動詞と化し、「永遠(とわ)る」と表現するようになるかもしれません。「私達、永遠(とわ)ってるよね」「あいつとは永遠(とわ)るほどではない」など、永遠をカジュアルに表現するのにぴったりの言葉ではないでしょうか。
予想⑤ とわぴと(名詞)
上記の予想④「とわる」と関連するのですが、このように「永遠」「ずっと」「一生」などとやたらに言うことも、もしかすると次第に「あいつすぐそういうこと言うよな」と、ネガティブに捉えられていくかもしれません。そういった言葉を乱用する人を「とわぴと」と称するようになるのではないでしょうか。「とわラー」もあるかと思ったのですが、人を「ラー」とまとめる表現も最近は聞かなくなりましたし、先日テレビ番組で若い女性タレントが好きな人のことを「すきぴと」と表現していたのでそこにヒントを得てみました。
いかがでしたか?
新しい言葉は考えるものではなく自然と生み出されるものだとは思いますが、言葉の変化を客観的に予想してみるのも面白く、そしてまた大変に難しいものです。
今年の年末、上記の言葉がどこかにノミネートされていたら…
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