日本と海外の寝かしつけ事情

子どもの寝かしつけと言われると、皆さんはどのような場面を思い浮かべますか。添い寝や川の字など、日本人であれば親子が一緒に寝る姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。では海外の寝かしつけと言われるとどうでしょうか。子どもは自分の部屋、自分のベッドに一人で寝るという映画やドラマで一度は目にしたことがあるシーンを思い浮かべる方もいるかと思います。
日本でも海外でも家庭によって寝かしつけ方法は異なりますが、傾向としてアジアは添い寝、欧米は一人寝が多いという調査結果があります。添い寝、一人寝それぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどちらがいいとは言えませんが、寝かしつけ方法によって子どもの睡眠時間に差がでるという研究結果もあります。今回のブログでは、日本と海外の寝かしつけ事情をご紹介したいと思います。

まず、下記の表で年齢別の必要睡眠時間をご確認ください。あなたは睡眠時間が足りているでしょうか。

参考文献:子供の睡眠時間の理想は? 睡眠不足の影響と改善方法|ウーマンエキサイト

日本人の睡眠時間が諸外国に比べて短いことは有名ですが、大人だけでなく実は子どもにも当てはまるのです。下記のグラフは、『乳幼児(3歳児以下)の睡眠時間の国際比較』です。日本の乳幼児の睡眠時間が他国の乳幼児と比べて短いことがご確認いただけるかと思います。

参考文献:添い寝の功罪 日本の子どもの睡眠は超短時間|NIKKEI STYLE

このグラフからは日本だけでなく、アジアの子どもたちの睡眠時間が、欧米の子どもたちより短いことが読み取れます。この差の要因の一つに、寝かしつけ方法が関係していると言われています。
ではなぜ、寝かしつけ方法によって睡眠時間に差がでるのでしょうか。
まず添い寝の場合、親の就寝時間に子どもが影響されることがあります。先に家事を済ませ、親のタイミングで寝室に行くなど、子どもが待たされるケースがあります。親も時間になれば家事を中断して寝かしつけをすればいいのですが、添い寝の場合は親が寝落ちするリスクが伴います。子どもを寝かしつけるつもりが親も一緒に寝てしまい、気が付けば夜中や朝…ということも少なくありません。そのため、なかなか家事を中断して寝かしつけをするということが難しい場合があります。
また、子どもはすぐに眠りにつくわけではありません。眠るまでにある程度時間がかかります。添い寝の場合、親が横にいるのでおしゃべりをしてしまったり、乳児であれば遊び始めてしまったりと、寝るのではなく逆に覚醒してしまうこともあります。
しかし、一人寝の場合は時間になれば一人で寝室に行くので、親は家事を中断させる必要も、子どもは親を待つ必要もありません。寝室には子ども一人のため、30分もあれば勝手に眠ります。
寝かしつけ方法によって子どもの睡眠時間に差が出ているのは、上記のような理由があるからだと言われています。

実は日本では、乳幼児だけでなく子どもの4~5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害など、何らかの問題を抱えていることが分かっています。睡眠時間が短くなると、肥満や生活習慣病(糖尿病・高血圧)、うつ病などの発症率を高めたり、症状を増悪させたりする危険性もあります。共働きが当たり前になってきている現代では、親の帰宅時間が子の睡眠時間に影響を与えていることも少なくありません。親の帰宅時間が遅いと夕飯、お風呂が後ろにずれ込むため、必然的に就寝時間が遅くなります。現代社会では、時間になったら一人で寝室に行くという一人寝の方が合理的なのかもしれません。

では子どもは一人寝がいいのかというと、そうとも言い切れない研究結果もあります。最新の研究では、6歳まで添い寝やベッドシェアをした場合、しなかった場合に比べて認知的スキルが高かったという研究報告もあるそうです。また、添い寝文化のアジアでは、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率が、一人寝文化の欧米より低いことも分かっています。添い寝、一人寝にはそれぞれメリット・デメリットがあり、寝かしつけ方法は各家庭に合った、親にも子どもにも無理のない方法で実践するのがいいのかもしれませんね。

参考資料

子供の睡眠時間の理想は? 睡眠不足の影響と改善方法|ウーマンエキサイト(1/2) (excite.co.jp)

添い寝の功罪 日本の子どもの睡眠は超短時間|NIKKEI STYLE

子どもの睡眠 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

最新の研究が明かす「子どもは何歳から一人で寝るのがいいのか」 | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン) | “女性リーダーをつくる”

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