中国の「广场舞(広場ダンス)」

新型コロナウィルスが流行り始めてから、在宅勤務する日が多くなりました。もともと運動するタイプではなかったのですが、会社への通勤がなくなった分、一日500歩ほどしか歩いてなかったりして、ますます運動不足になってしまいました。これを解消して、少しでも健康になるために、私の家では中国の「广场舞(広場ダンス)」というものをやるようになりました。今回はこの「广场舞」について紹介したいと思います。

中国では、中高年の人たちが昔から健康意識が高いです。公園など広い場所に集まって、日本でよく知られている太極拳や気功をやったり、動物の動きを真似した健康体操をやったりします。地域によっては民族舞踊(秧歌(ヤンガー)など)、社交ダンスを踊ったりもします。このような健康のための運動の中で、今最も流行っているのが「广场舞」で、好きな曲に合わせて集団で踊るダンスです。

「广场舞」は大勢で踊るため、広い場所が必要で、元々田舎の方で踊られていました。1990年代に入り、中国では多くの都市で広場が作られて、踊れる場所ができたことから、「广场舞」が田舎から都市へと浸透し始めました。また、「广场舞」で使われている曲はリズミカルな曲が多く、2005年頃の鳳凰傳奇という男女二人組による「最炫民族风」、2014年の筷子兄弟という男性二人組による「小苹果」など、「广场舞」に大変よく合う歌曲の誕生により、一気に中国全土に広がっていき、今や全国大会が開かれるほどの人気になりました。

「广场舞」はプロの人が作ったダンスではなく、健康増進のために、一般市民によって作られたダンスです。踊るのに特別な道具も、衣装も必要なく(大会に出る人たちを除く)、とってもお手軽です。また、ダンス自体には、エアロビクスやヒップホップダンスのような振りもあれば、中国民族舞踊の振りもあり、いろんなダンス要素が入っていますが、全くハードな踊りではなく、難しくないので初心者でもすぐに踊れるようになります。最初の頃は、「广场舞」を踊っているのは主に中高年の女性たちでしたが、近年、「广场舞」の振りが更に多種多様に進化していて、老若男女問わず夕ご飯を食べた後に、広場に集まって、好きな曲をかけて一緒に踊ります。

「广场舞」には音楽と場所が必要不可欠で、そのため、大音量の音楽による騒音や、踊る人たちと他の運動をする人たちによる場所取りのトラブルなどネガティブなことも起きています。しかし、「广场舞」を踊ることによって、ストレスを発散したり、他人とのコミュニケーションが増えたりしている他、病気にかかりやすいお年寄りがたくさん参加することによって病気の予防になり、国の医療費負担や個人の医療費支出が軽減されたとも言われていて、良い効果もたくさんもたらしています。

個人的にちょっとだけ体を動かして運動できればいいと考えている人には「广场舞」が打って付けな運動だと思います。集団で踊るダンスですが、フォーメーションがあるわけではなく、一人でも踊れますので、YouTubeなどで「广场舞」を検索して是非覗いてみてください。

最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございます。

株式会社イデア・インスティテュートでは、世界各国語(80カ国語以上)の翻訳、編集を中心に
企画・デザイン、通訳等の業務を行っています。

翻訳のご依頼、お問わせはフォームよりお願いいたします。
お急ぎの場合は03-3446-8660までご連絡ください。