日本のプロサッカーリーグであるJリーグが今年で発足30年目を迎えました。
旧国立競技場に6万人の大観衆を集め、華やかに開幕した日本初のプロサッカーリーグ。
当時の熱狂と「新しい時代」が始まる感覚は、今でも鮮明に覚えています。
現在リーグに所属するチーム数はJ1を最上位のカテゴリーとしてJ2、J3と続き、2022年時点で日本全国で58に上ります。
Jリーグの規約には「Jクラブの法人名、チーム名には地域名が含まれているものとする」というものがあり、各クラブはチーム名にホームタウンの地域名を入れています。
発足当初、企業に依存しない形での地域に密着したスポーツ文化の確立を目指し、各チームのチーム名が決定していったのですが、なぜかカタカナ語(造語)+地名(もしくはその逆)で構成されている場合が多く、この造語の部分が多種多様なので、今回はいくつか紹介したいと思います。
初めて聞いた時は「?」となったチーム名
ガンバ大阪
GAMBAとはイタリア語で「脚」を意味する言葉。シンプルで強いチームを目指す、サッカーの原点である「脚」を強調した。「ガンバ」という響きは、日本語の「頑張る」にも通じ、「チーム一丸となって勝利を目指して頑張るチーム」「どんな状況でもガンバって勝利を勝ちとるチーム」「大阪をホームタウンとし、大阪を中心とした関西ファンの声援を受けてガンバるチーム」「日本一、世界一のクラブ組織に向けてガンバるサッカークラブ」という気持ちが込められている。
シンプルに「頑張る」の意味も込められているんですね。
サンフレッチェ広島
サンフレッチェは、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ(矢」をあわせて作った造語で「三本の矢」を意味しています。このチーム名は広島に縁の深い戦国武将毛利元就の「三本の矢」の故事から名づけられたもので、広島の県民市民・行政・財界の三位一体の力によって支えられていることを示し、またチームスポーツの基幹をなす「技術・戦術・体力」の三要素、そして個々の選手に必要とされる「心・技・体」の三原則にもつながっています。
まさかの「毛利元就、三本の矢!」私も初めて知りました。
オーソドックスなチーム名
この3チームは「いかにも」なチーム名です。さすが強豪といったところでしょうか。
セレッソ大阪
セレッソ(CEREZO)=スペイン語で「桜」。桜は大阪の“市花”であり、また、日本を代表する花でもあります。地域に根ざし、ここ大阪から日本を代表するクラブへ、世界で満開の夢を咲かせるクラブへ。サポーターとともにどこまでも成長していく。その思いをクラブ名に込めました。
鹿島アントラーズ
アントラーズの“アントラー”は鹿の枝角のこと。鹿島地域を代表する鹿島神宮の鹿にちなんだもので、枝角は茨城県の茨をイメージしています。鹿のように広く愛され、そして、戦いの時は、その鋭い枝角で勇猛果敢に立ち向かい勝利を目指す、という意味を込めました。
ヴィッセル神戸
「VISSEL」は英語の勝利「VICTORY」と船「VESSEL」を合わせた造語です。「勝利の船出」を意味し、国際港湾都市神戸をイメージするとともに、市民の夢を乗せ、勝利に挑戦し続けるクラブであることの誓いを込めています。
ロマンチックなチーム名
ベガルタ仙台
仙台の夏の風物詩である七夕まつりは、天の川を挟んで光輝く織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)が、年に一度、七夕の日にだけ出会うことができるという伝説から生まれました。
「ベガルタ」というクラブ名には2つの星の合体名で「県民・市民と融合し、ともに夢を実現する」という願いを込めました。
織姫と彦星の合体名とは風情があります。
これぞ地域密着のチーム名
サガン鳥栖
ホームタウンは佐賀県鳥栖市
チーム名は、
長い年月をかけて砂粒が固まって砂岩「サガン」となるように、一人ひとりが小さな力を集結し立ち向かうことを意味。「佐賀の」という意味にも通じる。
最後に「うどん県」のあのチーム
チームのエンブレムにはうどんのイラストが模られています。
カマタマーレ讃岐
会社名のカマタマーレ(kamatamare)は、玉うどんとイタリア語で海を意味する「マーレ(Mare)」を合わせた造語。讃岐は香川県の旧国名。2006年シーズンからチーム名称として使用。
各チーム、様々な理念や地域への想いがあるのですね。
スペイン語やイタリア語からの派生が多いのは、それぞれサッカー強豪国だからでしょうか。
世界の強豪といわれるクラブの大半は地名のみのシンプルなチーム名です。日本独自のこの地域密着のチーム名の中から、世界のサッカーファンに認知されるクラブが数多く出てくる事を期待して、これからもJリーグを応援していきたいと思います。
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