『極私的、海外旅行トホホ10選』

あなたは毎日、何のために働いていますか?
私にとってそれは、年に一度の海外旅行でした。そう、コロナ禍が訪れるまでは。

この3年、何度、過去の旅行写真を眺めては、目に見えないウイルスを呪ったことでしょう。
しかし呪ったところでどうにもなりません。
そこで、自分をなだめ、海外旅行を諦めさせるために、この機にあえて残念な出来事を振り返ってみることにしました。
「海外旅行、いいことばかりじゃなかったよね!?」

題して『極私的、海外旅行トホホ10選

時刻表と路線図がハチャメチャで、半日かけても目的地にたどり着かなかった件[サンフランシスコ]

(海外あるあるですね)

まだ試合中なのに、スタジアム周辺の交通機関が終了してた件[ロサンゼルス]

(タクシー配車アプリのおかげで命拾い)

券売機にお金を入れたらそのまま故障してしまった件[オークランド]

(もう一度入れろ、いや返金が先でしょ、と駅員さんと口論に)

うっかり開店前の店内に忍び込んでしまい通報された件[ニューヨーク]

(明らかに観光客な我々を見て、警備員さんが見逃してくれました)

服がオシャレすぎて麻薬密輸を疑われた件[シカゴ]

(もう二度とあの服では飛行機に乗らない!)

手荷物検査でカバンの中身が全てポテトチップスで失笑された件[ソウル]

(ちなみに全て自分で食べる用です)

高級レストランで1口も食べられずにトイレで2時間過ごした件[香港]

(さすが高級店、お手洗いも居心地バツグン)

ホテルの不手際のお詫びでもらった無料券を使ったのに、ちゃっかり請求されていた件[ボストン]

(クレーム入れて返金してもらいました)

調子のいい店員さんに高価なボトルワインを半分こぼされ、笑ってごまかされた件[ニューヨーク]

(チップ少なめで応酬)

なりゆきで廃棄パンを大量に恵まれることになり、賞味期限切れのパンを3日食べ続けた件[ニューヨーク]

(3日目は噛み切れないほどカッチカチ)

いろいろあったなあ…。
頭に浮かんだままの10個を書き留めているうちに、色んな人の顔を思い出してきました。

駅で揉めていた時に証言してくれた学生さん。
旅の疲れでフラフラな私を心から心配してくれたレストランの方。
閉店時刻に間に合わなかったのを不憫に思って、パンをおすそ分けしてくれた店員のおじさん。
帰りの交通手段がないと知るや、どうでもよくなってその場でパーティー始めちゃう人たち。
店への侵入を許したのは自分なのに、なぜか「俺に任せとけ」と自信満々な警備員さん。

その場では肝を冷やしたり頭に血が上ったり、バカバカしさに脱力した残念な出来事も、どこにも行けない今振り返ってみるとただただ懐かしいばかり。
海外旅行に諦めをつけるつもりが、より一層、恋しくなってしまいました。

現地に着いた直後は言葉や風習の違いへの戸惑いが大きいけれど、
帰国する頃には「これもお国柄だよね~」の一言で許せるようになっていたりしませんか?
日々を暮らすうちに凝り固まってしまった視野や不寛容さが、“強制リセット”されるような気がする、
だから私は海外旅行が大好きなんです。

はやく、気兼ねなく世界を往来できる世の中に戻りますように。
できれば、円安とインフレも収まっていますように。

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