ポーランドの餃子「ピエロギ」のご紹介

このブログでは各国の料理についての記事が何度か登場していますが、今回は東欧ポーランドの料理をご紹介したいと思います。学生時代、ポーランドに留学していた頃によく食べていたものの中で、またあれが食べたいなぁと思い出すものがいくつかありますが、その中でも私が最もおすすめしたい「ピエロギ(pierogi)」を取り上げます。

ピエロギはポーランド料理を代表するメニューのひとつで、見た目は餃子にそっくりです。 その作り方は…

  1. 小麦粉と水(レシピによってはバターや卵も入れる)を混ぜてこね、生地を作る
  2. 生地を薄く延ばして、丸くくり抜いて皮を作る
  3. 皮に具材を包み込み、2つに折りたたんで半月状にし、端を閉じる
  4. 茹でる、または焼いたり揚げたりして加熱する

といったもので、「まさに餃子!」という感じですが、それもそのはず、起源は中国にあると言われています。13世紀にはすでに東方からポーランドに伝わっていたとされ、17世紀に発行されたポーランド最古の料理本では初めてレシピが記されました。

このように古くから親しまれてきたピエロギは伝統料理でもありますが、現代においてもまさに国民食といえるほど大人気。ポーランド国内の至るところで手軽に食べることができます。高級レストランでも、カジュアルレストランでも、バルでも、学生食堂でも、必ずといっていいほどメニューに載っていますし、ピエロギ専門店も人気です。食料品店ではテイクアウトができ、スーパーに行けばチルドのピエロギや冷凍ピエロギが並んでいます。古都クラクフ(Kraków)では、毎年8月に「ピエロギ・フェスティバル(Festiwal Pierogów)」なるものが開催され、人気店のピエロギの食べ比べを楽しむ人たちで賑わいを見せているそうです。そしてもちろん、家庭で手作りすることも一般的で、「どのお店より、母のピエロギレシピが一番!」という人も少なくありません。
ここからはピエロギの特徴についてもう少し詳しくお話ししましょう。
ピエロギは皆さんがイメージする日本の餃子よりは皮が厚めで、1つ1つが餃子の1.5~2倍とやや大きめサイズ。レストランなどで注文すると大体1皿6~8個くらい乗っていますが、全部食べるとそれだけでもうお腹がいっぱいになるくらい食べ応えがあります。
加熱の調理法は様々と書きましたが、茹でたピエロギが最もポピュラーで、皮のもちもち食感を楽しむことができるのでおすすめです。(フライパンでカリっと揚げ焼きにしたピエロギ、オーブンでパリッと焼き上げたピエロギもそれはそれで別の美味しさがあるのですが…)
中身の具材はバラエティに富んでいます。じゃがいもやチーズ、ひき肉、キノコ、ザワークラウト、そばの実、ほうれん草などが定番で、イチゴやラズベリー、リンゴなどのフルーツ入りのものに砂糖をかけてスイーツのように食べるのも一般的です。中でもぜひ一度食べていただきたいのは、マッシュポテトとカッテージチーズが入った、「ピエロギ・ルスキェ(pierogi ruskie)」と呼ばれるものです。ピエロギと言えばこれ、というくらい定番中の定番で、ポーランドでは子供から大人まで、みんなが大好きな組み合わせです。
そして最後に、忘れてはならないのがトッピング。ピエロギにはカリカリに炒めたタマネギ、ベーコン、溶かしバター、サワークリームなどを添えていただくのが伝統的なスタイルとなっています。


留学時、私は食べるのが専門だったので、残念ながらここで秘伝のレシピをご紹介することができないのですが、最近ではクッキングサイトだけでなく、動画サイトでも、日本語で紹介されたピエロギのレシピを見かけるようになりました。
上で書いたように定番の食べ方はありますが、実際は自分の好みの具材を組み合わせたり、トッピングを特製ソースやハーブを使ってアレンジしてみたり、または生地に何か練り込んでみたりと、かなり自由に楽しむことができる料理だと思います。(ポーランドのピエロギ専門店でも伝統的なピエロギの他に、シェフ考案の独創的なメニューが並びます。)

この記事を読んでピエロギに興味を持たれた方、ちょっと食べてみたいなと思った方、料理好きな方、ぜひ一度「ピエロギ レシピ」と検索してみてください!

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