イデア・インスティテュートでは10年以上公益財団法人日本デザイン振興会から様々な英訳依頼を受けている。その中でも特に長期に亘るのが、デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞受賞作品を収録した受賞年鑑『GOOD DESIGN AWARD』の英訳だ。
https://www.g-mark.org/learn/books
イデア・インスティテュートは受賞作の解説が日英併記されるこの本の英訳を担当しているが、特に目玉となっている“BEST100”の英訳を進めていると仕事ながらもその年に何が「良いデザイン」とされているかを感じることができる。以前は「デザイン」と言うとスタイリッシュな車や携帯電話、家電等が主に取り上げられていたが、今「デザイン」は時代の変化に伴う社会問題や災害、そこから生まれるニーズにどのように取り組んでいくかの発想、その成果物にまでその定義を広げている。少子高齢化や過疎化に代表される人口問題に対する取り組みや、不足する医療従事者の負担を少しでも軽くするような補助機器、選挙投票率が低い日本において子供が興味を持てるような「こども選挙」の企画など、世相の変化や問題とそれに対する人間の対応をまとめた原稿は非常に興味深く、私も翻訳者と共に時代の移り変わりを感じながら翻訳作業を進めている。自然と熱が入ってしまうのだが、先方のご担当者(Aさん)もこちらのデザインに対する関心や意欲を感じ取ってくれているのか、年鑑が仕上がると「今年もご協力いただいおかげで無事に仕上がりました。翻訳者の方にもぜひ差し上げて下さい」と書かれたレターと共に毎年2冊の年鑑を送ってくださる。
コロナ禍で一般には開催されなかったグッドデザイン賞受賞展が、2023年10月、4年振りに開催された。受賞展前にご挨拶に行った際にAさんの「4年ぶりの一般公開なので是非イデアの皆さんで来てください。私がご案内します。」と言って下さったので6名で伺った。ちょうど大賞受賞者のインタビューのところでAさんが事務室から下りてきてくださり、受賞者の方のインタビューを補足してくださり、他の受賞製品の解説をしていただいた。
受賞展で出迎えてくれ日頃の仕事ぶりを労ってくれたAさんに感謝するとともに、これからも様々なデザインを世界に広げる「翻訳」という仕事で、デザイン振興会の目的である「デザインを、⼀⼈ひとりの⼒に。」そして「⽇本のデザインの可能性を拡げるだけでなくデザインの⼒をあらゆる⼈に⼿渡すことで、⼀⼈でも多くの⼈が創造性を発揮して豊かな社会をつくる」というデザイン振興会の意思の一助を担いたいと思う。
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