編み物でストレス解消?

コロナ禍で在宅勤務を続ける中、人と接することがないため、外に着ていくのはちょっと恥かしい古いセーターや、昔自分で編んだ少々不格好なセーターを引っ張り出してきて着るようになりました。

毎日着てみてあらためて感じるのは、その暖かさです。30年ほど前からフリースのウェアが一般的になり、軽くて暖かいのでわたしも愛用していますが、ウールのセーターの暖かさにはかなわない気がします。

ちょうど自宅で過ごす時間が増えたことだし、学生時代によくやっていた編み物を再開しよう!と決心しました。昔母に教わってセーターを編んだりしていたのですが、就職してからは時間がなく長いこと遠ざかっていたので、基本の編みかたぐらいしか覚えていませんでした。そこで、編み物雑誌を購入したりネットを検索したりしていたところ、「腹巻帽子」なるものに出会いました。

調べたところ、気仙沼在住の梅村マルティナさんというドイツ人の方が始めたものだということがわかりました。編み物が好きだった彼女は、東日本大震災の後、娯楽がなくなった被災地、気仙沼で被災者の方々に毛糸と編み針を提供したそうです。

わたしも福島県で被災された方々とお知り合いになる機会があったのですが、震災でつらい思いをし、慣れない仮設住宅暮らしを送る中、たまたまある方から提供されたアクリル毛糸と編み針で「エコたわし」を編むことで、悲しい思いを少しの間忘れることができた、とうかがったことがあります。

東京オリンピックのダイビングで優勝したイギリスのトム・デイリー選手が試合の合い間に編み物をする姿をテレビで見た方もいらっしゃると思いますが、編み物は厳しい試合に挑む選手のストレスを束の間忘れさせてくれる効果があるようです。

確かに編み物をしているときはひと目ひと目に集中するので、つらいこと、悲しいことを考える余裕はありませんから、ストレスの元も忘れられるのだと思います。

 

「腹巻帽子」に話を戻しますが、これは輪針でひたすら表編みを繰り返して作る、腹巻を少し長くしたような筒状のものです。スヌードにもなりますし、帽子に形を変えることもできるので、ひとつ持っていると重宝します。胴回りのサイズで編めば、腹巻として使うこともできます。

使う毛糸は何でも良いのですが、わたしはマルティナさんのお店で扱っているのと同じドイツのOPALという会社のカラフルな毛糸を使っています。(一般的には靴下を編むための毛糸ということで、「ソックヤーン」と言われているようです。)毛糸という「線」が布地のような「面」に変化する工程がおもしろく、苦労せずに編み込みのような模様が仕上がっていくところが魅力です。

最近は余った少量の毛糸を使い切るために、ハンドウォーマーやコーヒースリーブ、ミニ靴下なども編んで楽しんでいます。

 

さらには、海外の方が発信している様々な動画を参考に、苦手だったかぎ針編みも始めました。日本語の「細編み」はアメリカでは”Single crochet”と言うのに対し、イギリスでは”Double crochet”、「長編み」はアメリカでは”Double crochet”、イギリスでは“Treble crochet”と呼ぶなど、同じ言語でも国によって名前が異なることもわかってとても興味深いです。また、海外では日本に比べて編み物をする男性も多いようで、男性が発信する動画も沢山あって楽しめます。

 

興味のある方はネットで検索してみてください。様々なチュートリアル動画がみつかりますよ。最近は動画を倍速で見る方が多いと聞きますが、1/2の速度や1/4の速度で再生することもできますし、何度も繰り返し見ることができるので、編み物を学ぶにはとても便利です。

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