洋画を字幕で観るか吹き替えで観るか

幼少のころ観た洋画はテレビで観ることがほとんどで吹き替えが当たり前だったように思う。
私の学生時代は英語の勉強も兼ね、洋画は字幕で観ることが多くなっていた。そのうち、映画館でもDVDやビデオでも字幕で観るのが当たり前になり、吹き替えで観るという考えが無くなっていた。
調べたところ、かつては劇場での洋画鑑賞は字幕が当たり前だったそうで、吹き替えはテレビで放送するために始まったそうだ。子供のころテレビで観た洋画が吹き替えだったのも納得である。

字幕も吹き替えもそれぞれメリット・デメリットがあると思うので、私なりの考察を綴ってみようと思う。

字幕:メリット

俳優本人の生の声が聴けるのがうれしい。お気に入りの俳優の声を聴いてさらに好きになる。(逆にイメージしていた声とギャップがあり、がっかりする場合もあるかもしれない)また、俳優の生の声を通して映画のシーンの細やかな雰囲気を、吹き替えよりも現実味のある感覚で楽しむこともできると思う。
語学の勉強になるというのもメリットの一つになるだろう。例えば、英語の映画を観るときに字幕も英語にしてみることで、リスニング力をつけたり、教科書的な文法学習ではないスラングや話し言葉を学ぶのに役立つ。

字幕:デメリット

字幕の場合、1つのシーンで使用できる文字数には制限があるので、情報量が限られてしまう。台詞1秒当たり4文字という制限の中で必要な情報を伝えられるように、字幕の文章がシンプルにならざるを得ない。
映像に見入ってしまうと、字幕を追えなくなり、細かい内容が理解できないことがある。また、映画の内容が難しいと字幕を追うのに精一杯になり、緊迫したシーンを見逃したり、きれいな映像・怖いシーンなどを楽しむことができなくなってしまう。

吹き替え:メリット

字幕のように文字を追いかける必要がないのでストーリーに集中でき、映像を楽しむこともできる。ファミリー向けの映画なら子供からお年寄りまでみんなで楽しめる。

吹き替え:デメリット

声優の声が俳優のイメージに合っていないという声を聞くことがある。最近はそういうことが無いようにオーディションなどで決めることもあり、改善はされてきているようだが、配給会社が集客に力を入れようとして、ネームバリューのある俳優やタレントを起用することもある。当然本業ではないので、作品の魅力が半減してしまう。時々、意外な才能を発揮する方もいて、その俳優やタレントの新しい一面が見られる場合もあり、デメリットばかりでもないかもしれないが。
俳優の口の動きと声のズレに違和感を感じることがある、という人もいる。これは英語の文字量と日本語の文字量の違いから来るものである。私はあまり気にならないほうである。

思いつくままにそれぞれのメリット・デメリットを書いてみたが、どちらがいいということは断定できないだろう。

最近は字幕と吹き替えの両方を観るケースもあるという。字幕で観て内容が難しいと思ったら吹き替えで見直したり、吹き替えで面白いと感じたら字幕で俳優の生の声を聴いて改めて楽しむらしい。
これは動画配信サービスが普及したことが大きいと思う。映画館だと都度お金を支払う必要がある。レンタルDVDでも字幕・吹き替えを切り替えることができるが、期限が決まっているため見たいときに見るというわけにもいかない。それに比べると、動画配信サービスは気軽に字幕・吹き替えを切り替えることができる。
私は基本的に字幕で観ることが多いのだが、2回目以降の鑑賞は吹き替えで観ることもある。例えば、シリーズ物で前回までのストーリーをおさらいするときに、動画配信サービスを使って吹き替えで気軽に前回までの映画を楽しむときにそうしている。

結論としては、それぞれにメリット・デメリットはあるので、こだわりが無い人は自分の目的や気分によって、また映画の内容によって字幕・吹き替えを選択してもいいかもしれない。
字幕でも吹き替えでもその映画を楽しむことができればそれが一番なのではないかと思う。

ご自身にあった鑑賞方法を見つけてもらいたい。

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