ピーナッツバタークッキー

いきなりですが、ピーナッツバターはお好きですか?

ピーナッツバター、わたしの好物ベスト3に入ります。
ピーナッツの殻を取り除き、茹でたり炒ったりした後にすりつぶして作るペースト状のこの食べ物、ルーツはアステカ、インカまでさかのぼるらしいですが、脂肪や炭水化物の他に、タンパク質、食物繊維、不飽和脂肪酸、マグネシウム、亜鉛、カリウム、葉酸、ビタミンEなどを豊富に含んでおり、あのケロッグコーンフレークの生みの親であるDr. John Harvey Kelloggが120年以上前に「嚙まずとも栄養が取れる」病人食として使ったことで、アメリカで広まったと言われています。

高校生の頃ホームステイしていたアメリカの家庭でも、冷蔵庫には必ずピーナツバターの大きな瓶が鎮座しており、子供たちが学校のランチ用にピーナッツバター&ジェリーサンドイッチを持って行ったり、アイスクリームやバナナにピーナッツバターを乗せておやつとして食べたりしていました。

ピーナッツバターはそのまま舐めるのが一番おいしいと思っているわたしですが、ピーナッツバタークッキーも大好きです。
写真はホームステイ先のおかあさんが書いてくれたレシピです。遠い昔のものなので、かなり変色してしまったレシピカードですが、わたしの宝物です。見ての通り、筆記体で書かれています。

残念なことに、最近はアメリカでも日本でも筆記体は教えないことになってきているようですが、おかあさんはいつも手紙やメモを美しい筆記体で書いていました。
ご本人はもうだいぶ前に天国に行かれたので、許可なしの公開ですが、許してくれるでしょう。

焼く前に、丸めた生地をフォークでつぶして平らにすると同時に模様をつけるという手順があるのですが、”peanut butter cookies”で検索すると、出てくる画像には必ずこのような井桁マーク(英語ではfork hash marks、fork criss-cross marksなどと言っているようです)がついています。

日本の25倍もの面積がある広い広いアメリカで、なぜ皆一様にこの井桁マークをつけたクッキーを作るのだろう、単にボール状に丸めた生地を平たくするためならフォークでなくても良いのに、なぜフォークでつぶしてこの模様をつけるのだろうと、ずっと不思議に思っていました。

そこで調べてみたところ、Wikipediaにそのことを書いたセクションがありました。
最初にこのマークについての記述があったのは1932年Schenectady Gazetteというニューヨーク州東部の町の新聞だったそうですが、その後、今でもクッキーなどで有名なPillsburyという食品会社が発行したレシピに載っていたピーナッツバタークッキーの写真にこのマークがあり、一般家庭で同じように作られ、それが代々受け継がれて広まったのではないか、ということのようです。ただ、どういう経緯で誰がいつこの模様をつけ始めたのかは謎のままです。

 

ちなみに、おかあさんのこのレシピ、Pillsbury社のレシピサイトに載っているものとは少し異なります。
おいしいので、筆記体が読めたらぜひ一度試してみてくださいね。

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