ホストファミリーという思い出

先日、友人の結婚披露宴に参加した。披露宴で配られた2人のプロフィールには「将来の夢」という欄があり、私の友人はそこに「ホストファミリー」と書いていた。ふと懐かしい気持ちになった。というのは、私は高校生の頃にホストファミリーとして自宅に留学生を受け入れたことがあるからだ。今回はその思い出を少し書きたいと思う。

ホストファミリーになろうと思ったきっかけとしては、私自身が海外でホームステイをしたことが大きい。私はずっと英語の勉強が好きだったことから、英語に力を入れている高校に進学した。その高校には、2年生の時に2週間だけオーストラリアのメルボルンでホームステイをするという研修があり、私もそれに参加した。現地の学校に通って授業を受けたり、ホストファミリーと一緒に買い物をしたり料理をしたり…。洋楽や洋画が大好きな田舎の高校生だった私には、たとえ短期間であっても海外で過ごしたその時間が本当に刺激的で、帰国後も興奮冷めやらず、ずっと余韻に浸っていた。

帰国後少し経って、今度はオーストラリアからの留学生を1年間私のクラスで迎え入れる話が上がった。留学生はクラスメイト数名の家で数か月間ずつホームステイをする決まりだった。海外ホームステイの余韻から抜け出せない私は、すぐにホストファミリーに立候補した。ホストファミリーになりたいと両親に相談をした時、大学進学で家を出た兄の部屋が空いていたことや、何より帰国後の私がずっと楽しそうにしていたことから、両親はすんなり了承してくれた。こうして、留学生が来日したらまず私の家に3か月間滞在することになった。

彼女はシドニーから、スーツケースいっぱいにTimTam(オーストラリアで有名なチョコレート菓子)を詰めてやって来た。改めて当時を振り返ると、毎週一緒にドラマを観たり、お祭りに行ったり、プリクラ(懐かしい!)を撮ったりと、彼女との様々な思い出がよみがえったが、特に印象に残っていることがある。彼女が私の家で過ごす最後の夜に、お礼にオーストラリアの料理を振る舞ってくれた時のこと。お手製のソースをかけたステーキやマッシュポテトなどを出してくれたのだが、最後にデザートとして出てきたのはなんと、フライドアイスクリーム!文字通りアイスクリームに衣をつけて油で揚げた料理で、当時の私にはその発想自体がかなり衝撃的だった。その料理を見て私以上に仰天していた祖母の表情と、案外アイスクリームが溶け出さないのだな、というちょっとした感動を覚えている。確かバニラとチョコレートの2種類を作ってくれて、味もおいしかった。

彼女にとっても私の家で過ごした3か月間が楽しい記憶として残り、こうやってたまに思い出していてくれたら嬉しい。

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