国中がオレンジ色に染まる日

4月27日は、オランダのウィレム・アレキサンダー国王の誕生日。
そして国中がナショナルカラーに染まる日です。オランダのナショナルカラーはオレンジ色。オリンピックやサッカーの選手たちがオレンジ色のユニフォームを着ているのを見たことがある方もいるかもしれません。
なぜオレンジ色なのかというと、オランダの建国の父、オラニエ公に由来します。
現在の王家はオラニエ・ナッサウ家です。オラニエはオランダ語でOranje(発音オラニエ)と書き、オレンジ色の意味であることから、オレンジ色がナショナルカラーになっているようです。

日本で天皇誕生日というと、皇居で一般参賀が行われますが、オランダでは国中でお祝いをします。日本と違って祝日が少ないということもあり、1年の中で最大のイベントです。普段は静かなオランダ人ですが、この日ばかりはオレンジ色のTシャツ、帽子、眼鏡などを身に着けたり、オランダの国旗を顔にペイントしたりして盛大にお祝いします。

私は、日本のゴールデンウィークにオランダの首都アムステルダムの運河の目の前のホテルに宿泊したことがあります。当時はウィレム・アレキサンダー国王の母であるベアトリックス女王が即位していました。ベアトリックス女王の誕生日は1月なのですが、寒い季節であることから、女王の日は前女王の誕生日である4月30日にお祝いしていました。その日の朝、ホテルから外に出ると運河の上のボートにオレンジ色を身に着けた人がたくさん乗っていて、スピーカーから大音量の音楽を流していました。そして街中では、パレードや無料の音楽祭があちこちで開催されたり、フリーマーケットでものを売ったりしている人もいます。この日ばかりは営業許可がなくても誰もがものを売ることができるのです。公共交通機関も本数が減っていて繁華街は歩行者天国になります。狭い通りも大混雑で通るのもとても大変でしたがお祭り気分を味わうことができて、とても楽しかったことを覚えています。

そして次の日の朝、いつも通りの静かな朝ですが道端にはゴミがあちこちに捨てられていてたくさんのゴミ収集車が大量のごみを集めているのが印象的でした。

余談になりますがウィレム・アレキサンダー国王はパイロット免許も持っていて、公務の傍ら、民間航空会社の副操縦士としても時折勤務しているそうです。国王がパイロット??というととても驚いてしまいますが自由なオランダらしいなあと思います。数年前の50歳の誕生日には同じ誕生日の150人をディナーに招待したのだとか。招待される側もびっくりですがとても親しみやすそうですね。

ちょうどこの時期は日本のゴールデンウィーク。オランダに行く機会がありましたら、綺麗なチューリップを見に行くのもとてもお薦めですが、ぜひオレンジ色の小物を持って一緒に国王の誕生日を楽しんでください。普通の観光とは違ったオランダの一面が見られると思います。

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