「世界中で抹茶が大ブームです」そんなニュースが流れてきました。日本の抹茶が世界に受け入れられていいことと呑気に聞いていましたが、「抹茶ブームの裏で煎茶が品薄で価格が高騰しています」と聞いて事態が一変。食い入るようにそのニュースを見ました。というのも、コロナ禍以降家にいることが増え、家でお茶を淹れる機会が増えていたからです。紅茶、緑茶、烏龍茶など様々なお茶を飲むようになりましたが、中でも好きになったのが緑茶です。それなのに緑茶の代名詞である煎茶が品薄で価格高騰なのは大問題なわけです。
ところで、緑茶ってなにかご存じですか?緑茶とは、ツバキ科の常緑樹であるチャノキの葉を発酵させずに製造したお茶のことで、簡単に言うと緑色のお茶全般を指します。煎茶・抹茶・玉露・番茶・ほうじ茶・玄米茶などは全て緑茶になります。この緑茶の中で、6~7割近いシェアを誇るのが煎茶です。つまり、日本人がよく飲む緑茶=煎茶となります。
話は戻り、なぜ抹茶ブームにより煎茶が品薄になるのかというと、煎茶栽培から碾茶(抹茶の原料となる茶葉)栽培に切り替える農家さんが増えているからだそうです。煎茶も抹茶も同じチャノキから作られますが、栽培と製造方法に違いがあります。
<煎茶の栽培・製造方法>
茶葉を日光に当てて栽培→摘採後すぐに加熱→揉んで乾燥→茶葉の形を整える
<抹茶の栽培・製造方法>
茶葉を一定期間日光からさえぎって栽培→摘採後揉まずに乾燥→石臼で粉砕する
煎茶と抹茶では栽培も製造方法も異なるため、抹茶ブームに合わせて農家さんが需要も多く利益率も高い碾茶栽培に切り替える(あるいは生産量を増やす)のは仕方のないことではあります。緑茶の輸出額はこの10年で4倍以上になっており、抹茶が主な要因となっているそうです。抹茶の生産量が増える半面、煎茶の生産量は減り価格が高騰し、例年の4~5倍以上の価格で取引されている事例もあるそうです。お茶に興味はないから自分には関係ないと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はペットボトルの緑茶(「お~いお茶」「伊右衛門」「生茶」など)も煎茶になります。そう考えると、意外と身近な問題でもあるんです。150円前後で買えているペットボトルのお茶が値上がりするのも、遠くない未来かもしれません。
この世界的な抹茶ブームがいつまで続くのか、定着するのか、それとも一時的なものなのか。日本の食文化が世界に受け入れられることはとてもいいことですが、それによって日本人の生活に制限がかかるのは、なんとも複雑な心境になります。会社や家でのほっと一息の時間すら贅沢品になるのでしょうか。世知辛い世の中です。
【参考サイト】
抹茶と緑茶の違い。抹茶と煎茶の違いを解説いたします。 |知覧茶 鹿児島茶 日本茶専門店【すすむ屋茶店 公式ブログ】知覧茶 鹿児島茶 日本茶専門店【すすむ屋茶店 公式ブログ】
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