メキシコ料理といえばタコスやブリトーなどが有名ですが、現地で親しまれている伝統料理の中にはまだまだ日本では知られていないものがたくさんあります。約7000年前から伝わる調理技術とヨーロッパから持ち込まれた食材などが融合したユニークな食文化は、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。ここでいくつか紹介したいと思います。
① ポソレ(Pozole)
私がメキシコに留学していた時にそのおいしさに衝撃を受けた、大粒のトウモロコシがたっぷり入ったスープです。具材は鶏肉や豚肉をメインに、レタスや玉ねぎなどたくさんの野菜が入っています。このスープ自体は辛くなく、ここにそれぞれチレ(chile=唐辛子)やリモン(limón=メキシカンレモン)、オレガノ(orégano)などを入れて好みの味にアレンジしていきます。写真の料理がpozole rojo(ロホ=スペイン語で赤)で、このほかにも、チレの有無や種類によってpozole blanco(白)やpozole verde(緑)などがあります。
② チレスエンノガダ(Chiles en nogada)
こちらはひき肉と野菜、フルーツ、ナッツなどを混ぜて炒めたものを、大きくて辛みのないチレポブラノ(chile poblano)に詰めた料理です。チレポブラノはメキシコのプエブラ州(Puebla)にその名が由来しています(ポブラノは「プエブラ州の」という意味の形容詞)。仕上げにクリームソースをかけてザクロを散らし出来上がった赤・白・緑のコンビネーションはメキシコ国旗を表しています。使う食材も多くかなり手間がかかる一品で、9月16日の独立記念日のお祝いに食べられる伝統料理です。
③ モレポブラノ(Mole poblano)
最後は、プエブラ州で生まれメキシコ全土で親しまれている、メキシコ料理と言えばこれ、と言われるほど超有名な一皿です。チョコレートやナッツ、シナモンなどの香辛料を中心に約50種類の材料を混ぜ合わせて作られるモレソースで鶏肉を煮込んだもので、複雑な味わいが特徴的です。写真にあるように、モレポブラノはお米と一緒に食べられることも多いです。このモレソースを使った料理は、プエブラ州以外にもたくさん種類があり、材料も地域や家庭によってさまざまです。
いかがでしょうか。メキシコにはまだまだ魅力的な料理がたくさんあります。皆さんもメキシコに訪れた際は、ぜひ本場のグルメを味わってみてください。
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