オーストリアのワイン事情

皆さん、オーストリアをご存じでしょうか。ご存じでしょうがオーストラリアではありません。特に日本であまりにも間違える人が多いためか、在日オーストリア大使館は2006年、日本での国名表記を「オーストリア」から「オーストリー」に変更することを表明しました。が…、浸透力は今一つ、間もなく発信元の大使館でも元の呼称に戻りました。

西欧と東欧の狭間に位置し、首都はウィーン。音楽とアルプスとカフェが有名でザッハートルテとシュニッツェルとコーヒーがおいしい。そんなオーストリアは、お隣ドイツの影響もあってか一人当たりのビールの消費量が世界第3位(キリンビール大学2013年調べ)でビール大国のイメージがありますが、実はワインも好んで飲まれています(同世界第9位。国際ワイン・ブドウ機構2011年調べ。ちなみにドイツはビールの一人当たりの消費量は第4位、ワインは第11位で、いずれも生産量の割にオーストリアのほうが上位)。ウィーン近郊を流れるドナウ川沿いは、ヨーロッパでも良質なぶどうが栽培されるワイン生産地で、特に辛口の白ワインが好評です。日本であまり知られていないのは、生産量が多くなく、ほとんど国内で消費されてしまうからのようで、オーストリア人の飲むワインの9割は国産です。

Heurigeでワインを注文する場合、自家製ワインなので品種を言う必要はなくWeiß(白)、Rot(赤)、Rosé(ロゼ)と色で頼みます。その際、色の前にG’spritzterと言っている人がけっこういます。これはgespritzter Wein(炭酸水で割ったワイン)という意味で、オーストリア独特の飲み方なのです。通常ワイン:炭酸水=1:1の割合で混ぜたものが1/4リットル入りのジョッキで出てきますが、好みにより1:2もしくは1:3などと少し薄めにしたものを1/2リットルジョッキで頼むこともできます。さらにエルダーフラワーのシロップや、クランベリーなどの果実を入れて飲む人もいて、夏の暑い日に最適なのはもちろん、お酒が弱い人も楽しめます。ご自宅でもぜひ一度試してみてください。

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