今回は、アラブ料理の中でもホンモス(フムス)という、ひよこ豆をペースト状にした前菜についてご紹介したいと思います。
アラブ料理と言うとアラブ諸国の料理ということになりますが、そもそもアラブ諸国とは、アラビア半島を含む中東(トルコ、イラン、イスラエルなどを除く)から、北アフリカ(エジプトやモロッコなど)まで、とても広範囲にわたる地域です。したがって一口にアラブ料理といっても地域によってかなり差があります。
今回ご紹介するホンムス(フムス)は、レバント地方(シリア、レバノン、ヨルダンなど)で生まれました。この地域は地中海の東部沿岸にあたるため、トマトやオリーブなど地中海沿岸でポピュラーな食材がよく使われます。そのほか、米や豆もよく食べられていて、日本人の口にも合う料理が多いと思います。このホンモス(フムス)は、ひよこ豆、ゴマ、ニンニク、レモン汁、塩、オリーブオイルといたってシンプルな材料による飽きのこない味わいが特徴で、レストランではみんなが必ずオーダーする定番の前菜となっています。また、原材料がすべて植物性のため、ベジタリアンやヴィーガンの人でも安心して食べられる料理として世界各地でも人気です。最近は日本でも、高たんぱく質でヘルシーなお惣菜として、デパートやスーパーなどで売られているのをよく見かけるようになりました。アラビア語の発音に近いのは「ホンモス」(アラビア語で「ひよこ豆」の意味)ですが、欧米経由で入ってきているような場合には「フムス」と呼ばれることが多いようです。
でも実はご家庭でも簡単に作ることができます。①乾燥ひよこ豆(英語ではChickpea、日本ではスペイン語のガルバンゾの名で売られていることも)を水に一晩つけて戻す。②柔らかくなるまでゆでる。③ゆでたひよこ豆、ニンニク、レモン汁、塩、ゴマのペーストをフードプロセッサーなどにかけてペースト状にする。なめらかにするために、ゆで汁を調整しながら加える。➃なめらかになったら皿に盛り付け、そのうえからオリーブオイルをまわしかける。以上です。日本ではゆでたひよこ豆が缶詰などでも売られていますし、ゴマのペーストは本来なら「タヒーナ」という中東の専門食材を使うところ、中華食材の芝麻醤(チーマージャン)と少量のクミンでも代用可能です。フードプロセッサーなどがあれば比較的簡単に作れると思いますので、ご興味のある方はぜひ作ってみてください。
ベースは豆なのでクセはなく、ゴマ、ニンニク、レモン、オリーブオイルが意外とよく合って、パンにつけて食べますが、食がどんどん進みます。サラダと前菜とパンだけでメインの肉料理までいく前にお腹がいっぱいになってしまわないよう、注意が必要です(笑)。
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