外国語としての日本語(日本語を知らない人が聞く日本語はどんな響き?)

自分がよく知らない外国語にも、何となくその響きにイメージがある。例えば、イタリア語はリズミカルで歌うよう、だとか。日本語はどのように聞こえるか、想像したことはあるだろうか。意外にも、「マシンガン口調」と言われることがあるらしい。

アメリカのTV番組「Saturday Night Live」で、ちょうどそれを目の当たりにするコーナーがあったので紹介したい。それはアメリカ人のコメディアンが日本人に扮して日本文化を語るもので、アニメ風の髪形や忍者の衣装はさておき、彼らの「日本語風」な話し方に興味深い特徴があった。“I guess that is amazing dad-dah!”というように、語尾に毎回擬音語「ダダッ!」をつけるのだ。まさに「マシンガン口調」の好例。つまりそれは、非日本語ネイティブが日本語の響きに抱く印象を表現しているのだった。

これには、日本語と、非ネイティブ(上記の例では英語話者)の話す言語の音声の成り立ちの違いが関係している。英語は、単語の中で子音が続くこともあれば母音の長短/強弱が異なっている。それに対し、日本語は、「d」+「a」=「だ」のように、子音+母音が対になって文字のひとつひとつが一定のリズムで発音される。例えば「スプリング/spring」という言葉の発音。英語では「spr」まで母音を挟まず、「i」の音まで一気に発音されるが、日本語読みでは「ス/プ/リ/ン/グ(s+u/p+u/r+i …)」と、すべての文字が同じ長さで連続している。この違いが、日本語が「ダダッ」と単調に聞こえる所以だ。

日本語の響きの特徴とその仕組みを知ることは、日本語の発音を勉強したい人にとっては良い学習のヒントになる。次のような練習方法もあるらしい。一音節ごとに手を叩きながら日本語を話すという方法だ。例えば「おおさか(大阪)」なら「お(パン)・お(パン)・さ(パン)・か(パン)」と発音しながら4回手を叩く。英語話者なら、「大阪」は「O-SA-Ka」のように「さ」だけを強く長く言うのが母語である英語に近く言いやすいのだが、これを一定のリズムで繰り返すことで日本語らしい発音が練習できるという。

母語であるとなかなか意識することのない日本語の特徴。日本語を知らない人の視点で考えると、意外な発見がありそうだ。

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