翻訳アーカイブ

スティーブン・キング 冒頭の10行(2)

1999年出版スティーブン・キングの「Hearts in Atlantis」。邦題は「アトランティスのこころ」。でも、本文で語られる “Hearts”とはトランプ遊びの「ハーツ」のこと。「こころ」ではない。だから2章のタイトルは「アトランティスのハーツ」となっている。

Back translation考~『源氏物語 A・ウェイリー版』らせん訳をめぐって

今年(2024)はNHK大河ドラマを視聴しています。『光る君へ』と題し、紫式部と藤原道長2人の人生の物語を軸としながら、平安時代の政治劇、そして紫式部が『源氏物語』を生み出すに至った経緯とその後が描かれています。

Sinzyuku or Shinjuku? Two competing systems of romanization of the Japanese language vie for supremacy, but one clear leader has emerged.

In January of this year, the Japanese government made a momentous announcement: after seventy years of the Kunrei-shiki system being designated as the official standard for romanization of the Japanese language, it would be considering formally switching to the rival Hepburn system instead.

「辞書映画」紹介

皆さんは普段辞書を使われますでしょうか。毎日のように辞書を使う方も、学生時代に引いたきりでそれ以降使った記憶がないという方もいらっしゃると思いますが、辞書が世の中に当たり前のように存在するものであることは誰にとっても変わらないと思います。

実験小説の翻訳

実験小説と呼ばれるジャンルの本を読んだことがあるでしょうか。読む順番によってストーリーが変化するものや、全編が疑問文からなるもの、活字が重なり合って読めない部分があるものなど、実験小説には興味をそそられる作品がたくさんあります。

語源の旅、五感の旅―登山電車で豆の莢にたどり着く

先日、英文のニュース記事を読んでいて、たしかカナダの交通行政の話だったと思うけれど、“funicular car”という見慣れない言葉が出てきた。知らない単語とはいえ、ローマ字読みすれば「フニクラー」……頭の中で「行こう、行こう、火の山へ フニクリフニクラ」と楽しい音楽が流れ出した。