アオダモから感じる季節

皆さんは普段どんなものから季節を感じているでしょうか。私にとってのそのひとつはわが家のシンボルツリー、アオダモです。

アオダモはモクセイ科トネリコ属の広葉樹で、日本では北海道から九州にかけて、海外では朝鮮半島などに生育しています。原産地は日本や朝鮮半島。英語ではJapanese ash*やAodamo treeというような呼ばれ方をするようです(*この場合のashは「灰」ではなく、「セイヨウトネリコ」という植物を指します)。硬さのある木なので野球のバットに使われてきたことで有名で、メジャーリーグに行った日本人野球選手の中にもアオダモバット愛用者がいるそうです。

落葉樹なので冬の間は枝だけになってしまうのですが、冬の間もよく見ると5mm程度の硬い小豆色の実のようなものが枝についています。これは冬芽と呼ばれるものだそうです。そして4月頃になるとだんだん冬芽が開き、中から新芽が出てきます。新芽というと若草色でぱりっとした葉を想像されるかもしれませんが、アオダモの新芽は少しくすんだ黄緑色でしわしわしています。

新芽が出始めるとそこからの成長はとても早く、葉がぴんと伸びて一気に木全体が青々としてきます。そして4月中旬くらいになると花が咲き始めます。白い細長い毛のような花弁が集まっていて、派手さはないですがふわふわとしてかわいらしい花です。1週間ほどで散ってしまうので花を楽しめるのは貴重なひとときです。

夏の間は枝も葉も文字どおりぐんぐんと伸びていきます。本当は剪定をするのは冬がよいそうなのですが、道にはみ出してしまった分を放っておくこともできないので、夏に剪定用のはさみで枝を一部切り落としています。そして秋になるとだんだん葉が茶色くなって散ってゆき、また冬芽が出て…という繰り返しです。

アオダモを見るのは1日1分にも満たない程度の時間ですが、そんなわずかな時間でも「新芽が出てきたな」とか「そろそろ花が咲くかな」などと眺めることで、カレンダーを見ただけでは得られない季節感を感じられます。遠出して大自然の中で四季折々の景色を楽しむのもとても清々しいものですが、身近なところにあるものに季節の移りかわりを見つけることで、より健やかな日々を送れるのではと思います。

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