「カフェで鼻血」? ~韓国語の中の外来語~

韓国は知る人ぞ知るカフェ天国。どこでもすっかりおなじみのスターバックス等、シアトル系カフェに加え、韓国系チェーン店も「カフェベネ」始めさまざま、さらにチェーンでない個人経営のカフェも多数あります。旅行者は、カフェならどこでもだいたい出てくる飲みものや食べ物はなじみのあるものばかり、名前も共通で、韓国語を知らなくても気軽に注文しやすいだろうと考えるかもしれませんが、そこには意外な落とし穴があるのでした。

本ブログの2014年12月9日「英語以外の言語からきた外来語」の最後に、外国人の“変な外来語ランキング” YouTubeのリンクが貼ってあります。

日本語の「カタカナ英語」が英米人にはかなり不思議な響きに聞こえているのを実感することでしょう。同様の変化がそれぞれ他の言語でも起きている訳です。つまり、日本のカタカナ英語と、韓国語のハングル英語は、想像以上に違っているのです。

ここで韓国のカフェでの注文の話に戻りますと、まず基本の飲み物であるコーヒー、これが、このままではまず通じません。韓国語には “F”の音が無いので、外来語にFがある場合はPで代用されます。また、日本語のように「コーヒー」と延ばさないので、「コピ」となるのですが、さらにもうひと難関あります。カタカナにしてしまえば同じ「コピ」ですがハングルでは何通りもの表記があります。母音だけで「オ」の発音が2種類あるため日本語と同じ発音で普通に「コピ」と言うと、正しく「커피」と発音できずに「코피」となった場合、韓国語では「鼻血」の意味になってしまうのです。日本人観光客がよく行くカフェでは、店員さんは一体今まで何杯鼻血の注文を受けたことでしょうか…

他にも、韓国ではパンの「ン」の発音が nでなくngだったり⇒빵(日本語の「パン」の発音は「半分」の意味になる⇒반)、ケーキが「ケイク」に近かったりします。⇒케이크(「ケーキ」だと「契機(チャンス)」の意味の発音に近い⇒계기)

発音に使う音が比較的似ている日本語と韓国語でも、由来が同じ外来語がそれぞれ、お互いに判別しにくい位、独自の響きに変わっている訳で、言葉というものは、あらゆる場所で常に変化していくものなのですね。

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