坊様も 袖振り踊る bon dance

われらがオフィスのある代官山から電車で二駅、歩いても20分程度のところに「祐天寺」というお寺があります。
徳川幕府ゆかりのお寺だけあって立派な構え、広々とした境内。賑やかなバス通りに接していながら静かで、都会のオアシスといった趣。春には藤棚がきれいです。

そこで七月盆に合わせて三日間にわたって行われる「み魂まつり」は、バスの臨時便が出るほど多くの人が訪れる、人気の盆踊り大会です。
金曜の夜、会社の帰りに初めて行ってみました。
会場に入ってみると、ふつうの町内会や商店街の盆踊りとはちょっと雰囲気が違います。お寺の主催なので、櫓(やぐら)の上でお手本になって踊る人も、警備員や迷子係も、袈裟を召されたお坊様なのです。
炭坑節の「もとぉ~の娘の十八にぃ~ 戻してくれたら別れます」なんて歌詞に合わせて、墨染の衣をまとったお坊様がしずしずと舞う光景は、なんとも不思議でした。
セットリストは「炭坑節」「東京音頭」といった定番に加えて、オリジナルの「み魂まつり音頭」も。この曲の振付けではお寺らしく合掌する動作があります。

踊りの輪の中で、ほがらかな表情と流れるようにしなやかな身のこなしでひときわ目を引く女性が。新聞雑誌によく出ている、シンプルな暮らしを提唱しているエッセイストの方でした。この近くにお住まいなのはご著書で知っていたけれど、写真ではなく実際にお姿を拝見したのは初めて。見栄や物欲に振り回されずに、今この瞬間を大切にして、満ち足りた気持ちで生きる、そんな心の持ちようが外見にも表れるのかしら。彼女の背後から後光が差すのが見えてきました。ありがたや~。

浴衣姿で仮装パーティー気分ではしゃぐ外国からの方々や、青春真っただ中で輝いている高校生グループが、少しでもSNS映えする写真をとポーズやフォーメーションを変えて自撮りしまくっている間をくぐり抜け、しんと静かな本堂へ。
お堂の前に、閻魔大王像と十人ほどの奪衣婆像と掛軸が御開帳されていました。
閻魔様だけでもなかなかの迫力なのに、奪衣婆がこんなに大勢ずらりと並んで、地獄の怖さを増幅して伝えようとしているのでしょうか…。
ところで閻魔様には何をお願いしたらよいのでしょう?「私がお裁きを受ける際には、なにとぞ生前の悪事にお目こぼしを…」とか言ってお賽銭を渡したら、買収とか不正取引にあたるのではないでしょうか??

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