つれづれなるままにお弁当話

家族のために毎朝、お弁当を作っています。
しかしながら私は朝がとても弱いので、お弁当作りは苦行でしかありません。できれば少しでも長く寝ていたい。できるだけ短い時間でお弁当を作りたい。そこで、作り置きや夕飯の残りを小分けに冷凍し、そのうちのいくつかを朝にレンジで温めてお弁当に詰めています。その結果、大体いつも同じようなおかずとなってしまい、レパートリーが非常に少ないのが悩みです。
お弁当に合うおかずをインターネットで検索することもしばしばです。

そうやって調べてみるとインターネット上には、キャラ弁(キャラクターを様々な食材でかたどった弁当)やデコ弁(デコレーション弁当)など、凝ったお弁当の写真で溢れています。おかずのアイディアも豊富です。お弁当を作る皆さんは本当にすごいなあ、と尊敬の念に堪えません。
今や海外でも「BENTO」という名称で、注目されているという話も聞きます。コンビニのお弁当の種類の多さにびっくりした、という海外の方のコメントも目にしたことがあります。
また、いかに美味しくお弁当を食べるか、の追求は尽きないようで、今はお昼の時間までご飯がほかほかの状態を保てる保温弁当(しかも軽い)や、汁が漏れないようにしっかりしたパッキンが付いているのに、お手入れが簡単なお弁当箱も売っていて、我が家では重宝しています。隣に詰めたおかずと味が混ざらないように、仕切りが工夫されているものもたくさん出回っていて人気のようです。そんな日本の弁当箱メーカーの工夫も、海外の皆さんを驚かせているようですね。

お弁当について気になって色々調べていくうちに、日本の弁当文化は安土桃山時代にまで遡る、という記事にたどり着きました。

参考

小さな箱が魅了させる、日本の弁当文化

日本の小さな茶室が「小宇宙」と称されるように、日本文化には「コンパクト化」して楽しむ、という特質があり、食においてはお弁当が最たる例だとのことです。古くから日本人は、お弁当箱の触感を楽しんだり、彩り豊かなお弁当を目で見て楽しんだり、と五感でお弁当という「小宇宙」を楽しんできたのだろう、ということでした。

個人的には、日本のお弁当は彩りだけでなく栄養バランスもしっかり考えられているのも誇れる点だと思います。お弁当のおかずについてインターネットや本で調べているうちに、栄養バランスについても多くの情報が出回っていることに気づきました。今は「主食:主菜:副菜」の割合を「3:1:2」にするとよい、という考え方が主流のようです。我が家は焼きそば弁当やチャーハンだけのお弁当の日もありますが、その情報を見てから「せめて野菜は多めに入れてみよう」などと考えるようになりました。お弁当作りは苦手だけど、やはり体のことを考えると頑張って作りたいなと思う日々です。

最後に、私が学生時代に母に作ってもらったお弁当の中から、衝撃を受けたお弁当ベスト3をご紹介します。この記事を書くにあたり母に聞いてみたところ「お弁当を作るほうも楽しみたいという思いがあった」とのことです。なるほど、その観点は見習いたいなと思いました。
キャラ弁・デコ弁ともちょっと違いますし、かなりエキセントリックなお弁当なので、皆さんのお弁当作りの参考になるかどうかは不明です。ただただ、お楽しみいただければ幸いです。

まず第3位。「ご飯の一部がカビた?疑惑弁当」です。

ある日、白米の底のほうから、突然緑色の物体が出てきたことがあります。
「えっ!?ご飯がカビてる!?」とギョッとしたのですが、よくよく見るとそれは、小ぶりのヨモギ大福でした。
母曰く「冷凍庫でカチカチになっていた大福を見つけたから、ご飯の熱で溶けてちょうどよいと思って埋めた」とのことでした。ほどよく溶けて柔らかく、美味しい大福でした。

第2位。「一面(いちめん)白米かと思ったら、騙された!弁当」です。

一段組のお弁当箱の蓋を開けたら、一面真っ白な白米だけだったことがありました。
どういうことだろう…私何か母を怒らせるようなことをしたかしら…と考えを巡らせましたが思い当たりません。お腹は空いたので仕方ありません。白米だけでも食べようと箸を付けました。
すると…白米は一番上にうっすら被せてあるだけで、その下から次々とおかずが現れました。
帰宅後の母のドヤ顔は忘れられません。

第1位。「イナゴ“前習え”弁当」です。

イナゴ。バッタの一種ですね。
これまたある日、お弁当の蓋を開けた瞬間「ギャッ!」と叫んでしまいました。
なぜなら佃煮になったイナゴが5-6匹ほど、白米の上に同じ方向を向いて並んでいたからです。そう、体育の授業の「前習え」のように。
その前の週末に「懐かしい!」と喜びながら母がイナゴの佃煮を買ってきたのは知っていたのですが、私はバッタ類が苦手なので、食べずに知らないふりをしていたのです。まさかこんな形で食べることになるとは…と思いつつ、頑張って全イナゴを完食しました。香ばしく、ご飯に合う甘辛味で美味しかったです。

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