イデア・インスティテュートの日本文化紹介多言語絵本の発行

令和7年、巳年。
皆様、明けましておめでとうございます。
イデア・インスティテュートの社員ブログは社員が持ち回りで1週間に1度の更新のために書き続けています。仕事に関することだけでなく、海外の経験談、言語にまつわること、会社の周りのこと、料理のこと、日々感じたこと、などなど。それぞれの視点でそれぞれが思っていることを詰めこんでいます。
毎年1月の最初のブログは、イデア・インスティテュートが毎年発行している日本文化を紹介する多言語絵本の制作に携わった社員の編集後記です。
今年の絵本は『日本の台所道具 ‘おいしい’を求めて』と題して、さまざまな台所道具を登場させました。台所という狭い場所にたくさんの日本独自の道具があることが、テーマに選ぶ決め手となりました。身近なものから、もしかしたら日本人でもあまり見たことがない道具まで16個選び、文章と絵で紹介しています。
社員の苦労も垣間見える編集後記。ぜひ実際の絵本と合わせてお楽しみください。

 

『日本の台所道具 ‘おいしい’を求めて』編集後記

「絵本として」「翻訳として」成り立たせることをふまえて道具の説明を書き起こすことは思った以上に難しい作業でしたが、入社以来興味のあった絵本制作に携わることができ嬉しく思っています。この絵本を読んだあとに、普段何気なく使っている台所道具にもさまざまな歴史や職人さんたちのこまやかな技が詰まっていることにふと思いを巡らせる瞬間が少しでも皆さまに訪れたら幸いです。(原稿・編集担当 伊藤)

初めての絵本制作で、伝えたいことを限られた文字数でまとめる難しさをあらためて感じました。頭の中に何となくイメージはあるものの、それを短い文章でどう表現するか…考える作業にはとても時間がかかりましたが、しっくりくる表現を思いついたときの達成感もまた味わうことができました。
日本の台所道具にはもともと関心がありましたが、今回いろんな道具の魅力を再発見しました。原稿を執筆しながらどうしても実際に使ってみたくなり購入した銅製の玉子焼き鍋は、日々のお弁当作りに活躍しています。(原稿・編集担当 西本)

私は割と料理をするのが好きなほうなのですが、今回の絵本で取り上げた台所道具は使ったことがないものが多く、道具の特長や良さを実感を込めて書き表すのに大変苦労しました。竹ざるとすり鉢・すりこぎについては、実際に買って使ってみました。現代の家電製品のような便利さはないものの、自分の手を動かして使ってみることで、料理を作るうえでも一層作りがいがありました。大変なこともありましたが、絵本が無事完成に至りほっとしています。(原稿・編集担当 了源)

世界的な和食ブームは、ずっと大人気の「すし」や「ラーメン」から、「おにぎり」や「味噌汁」まで広がっています。最近、今まで日本文化にあまり興味を示したことのない母から、インターネット動画で見た「玉子焼き器」という話題が出てきて、「日本はすごいね!こんな特化した道具を生み出したんだね!」と感動していました。確かに、和食の魅力はその美味しさとヘルシーさだけでなく、この絵本で紹介されるように、食材と調理道具への強いこだわりに現れる日本独特の「細やかさ」にもあると思います。(英訳担当 L. Androphy)

みなさま今年の絵本はいかがでしょうか。
関わり続けて21作目。今年もレイアウトをやらせていただきました。
毎年絵本のレイアウトをやっていて悩むことがあります。
見返しはどんな感じにしようか…、タイトル文字はどんな書体にしようか…、表紙(装丁)どうしようか…。
特に表紙は中で使っている絵をレイアウトしているので、絵が全部できないと作れません。
最後の方の作業になるので焦る時もありました。
次回からは表紙用に早めに絵を仕上げてもらいたいなぁ〜(原稿・デザインレイアウト担当 前田)

絵本のテーマから、「おいしい」を考えました。
おいしいと自分で思うこと。からだの具合が悪くなく、気持ちが穏やかになって安定している時です。病気になったからだが癒え、つらいことがあっても前向きな気持ちになっている時です。「おいしい」と人に言ってもらえたら「どういたしまして」と返しますが、本当は言ってくれた人に「ありがとう」と思っています。言ってくれてありがとうと。(原稿・イラスト担当 谷)

今回のテーマである「台所道具」は職人さんの手で作られるものも多く、もしかするといつの日か職人さんがみんないなくなり、作られなくなってしまう日が来るかもしれない。「キッチン」と言われる場所にはそれにふさわしい「ツール」が生まれて、「お台所」にあった「道具」は「お台所」という言葉が使われなくなったら一緒に消えていってしまうのではないか。いやいや、これは杞憂かもしれない。道具のなかには何百年も変わらないで使われ続けているものがあり、素晴らしい知恵と工夫が詰まった道具はそう簡単に他のものにとってかわられたりしないことを、歴史が証明しているではないか。
こんなことを絵本制作中につらつら思ったのでした。(発行人 福澤)

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