
最近の音楽シーンにおいて、レコードの売り上げが伸びてきていて、ひそかにブームがきているという。
レコードからCDへ、CDからネット配信へと音楽の聴取方法は推移してきたが、ここにきて70年代・80年代にヒットしたアーティストが復刻版としてレコードをリリースし、最近のアーティストもCDだけではなく、レコードもリリースするようになってきている。ストリーミングで聴いていた若者はレコードの音質に新たな魅力を感じ取り、中高年層は懐かしいアーティストの復刻版を買い求めるなど、ブームを後押ししている。
2,3年前からレコードを買い始めているが、最近のアーティストのレコードではなく、70~90年代に流行った洋楽の中古レコードがほとんどだ。中古レコードを販売しているショップに赴き、購入するのだが、お目当ての歌手やバンド、音楽カテゴリーの表示があるラックからレコードを一枚一枚持ち上げては戻す、を繰り返す。
この動作を「ディグる」というらしい。Dig(掘る)という言葉から派生しているのだが、まさしく自分のお気に入りを掘り出している感じで的を射ていると思う。
洋楽の中古レコードの面白いところは、最近リリースされた洋楽レコードではほとんど見かけないが、楽曲に邦訳タイトルがついていることである。
シンディ・ローパーの「ハイスクールはダンステリア」(Girls Just Wanna Have Fun)
ポリスの「見つめていたい」(Every Breath You Take)
カルチャー・クラブの「カーマは気まぐれ」(Karma Chameleon)
など、実際のタイトルからは予想できないものもあり、秀逸でインパクトもあり、頭に刷り込まれていて、考えた人はなかなかの天才だと思ったりする。皆さんにも思い当たる楽曲があるのではないだろうか。
探していたレコードを見つけた時の高揚感は格別で、その値段が想定していたよりも安いとラッキーと思う反面、何か安い理由があるのかなと不安になることもある。逆に想定よりも高かったりすると、せっかく見つけたのに今回は諦めようか、でも今度はいつ出会えるかわからないから買おうかというジレンマに陥るが、そういう時間も楽しめるからよい。
また、「ジャケ買い」と言って、レコードのジャケットのイラストや写真を気に入って購入する人もいるらしい。この場合は音楽を聴くというよりもアートとして壁に飾っているという。時々おしゃれなジャケットを目にするのは確かだが、私はまだそれだけのために購入する域には達していない。
中古レコードをディグって、昔の楽曲を懐かしみ、レコードを聴きながら昔に思いをはせる時間はとても贅沢な時間だと思う。
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