お気に入りのアプリ版国語辞典

以前、当ブログにてLogoVistaアプリ版『広辞苑』について紹介しましたが、今回は筆者お気に入りの他のLogoVistaアプリ版国語辞典について紹介します。
アプリ版『広辞苑』について詳しく知りたい方は、是非とも該当記事を読んでみてください。

アプリ版『広辞苑』の紹介

筆者は今まで国語辞典は『広辞苑』が大のお気に入りで、ほとんど『広辞苑』のみを使用してきました。しかし、他の国語辞典にはそれぞれ『広辞苑』とは異なる特長があり、特に『大辞林』と『日本国語大辞典』は日本語学者からの評価が高いようだったので、この2つの辞書も新たに購入することにしました。なお、以下に挙げる筆者お気に入りの辞典は、いずれも国語辞典であると同時に、百科事典としての機能も有しております。

広辞苑

出版社は岩波書店です。言わずと知れた日本を代表する中型国語辞典で、収録語数は約20万、2025年8月時点での最新版は第七版(2018年発行)になります。
古語から現代語に至るまで、最もバランスよく語を選んで編集されているように思います。語釈についても、簡潔に必要最小限の情報が記載されています。他の辞書に比べると挿絵のタッチが非常に緻密であり、アプリ版では挿絵に加えて写真も載せられています。挿絵のみだと画像が白黒で分かりにくい点も多いのですが、カラー写真だと大変分かりやすいので、そういう意味ではアプリ版の方が紙の辞書よりも百科事典的な項目を調べるのに役立ちます。

大辞林

出版社は三省堂です。収録語数は約25万で、2025年8月時点での最新版は第四版(2019年発行)になります。
語釈については、語義が新しい(現代で使用されている)順に記載されているのが大きな特長です。(『広辞苑』や『日本国語大辞典』は逆に語義が古い順に記載されています。)また、『広辞苑』よりも更に多くの新語・新語義が載せられており、『広辞苑』や『日本国語大辞典』に比べると、特に流行語・サブカルチャー・俗語などに強い印象があります。これらの特長から、『大辞林』の編集方針として、特に現代的な用法を重視しているであろうことが伺えます。
アプリ版の『大辞林』では、ある言葉を引くと、その言葉に続いて、関連する言葉とその語釈が一覧の様に表示されるため、紙の辞書の様に多くの情報が一度に目に入ってくるのが大変面白い特長です。例えば、「株価」という言葉を引くと、それに続いて「株価インデックス スワップ」、「株価売上高倍率」、「株価指数」、…という具合に、「株価」という言葉が頭に付く言葉とその語釈が一覧で表示されます。
『大辞林』には『広辞苑』と同様、百科事典的な項目には挿絵があります。『広辞苑』ほど緻密には描かれていないものの、特徴をよく捉えた分かりやすい挿絵になっています。ちなみに筆者のお気に入りの挿絵は「むささび」、「ももんが」、「やまね」です。いずれもそれぞれの動物の特徴をよく捉えた大変可愛らしいイラストになっているので、興味のある方は購入されたら是非調べてみてください!(笑)

日本国語大辞典

出版社は小学館です。オリジナルの書籍版では収録語数は約50万に上りますが、LogoVistaアプリ版はその内容を精選・凝縮した精選版をベースにしているため、収録語数は約30万になります。『精選版 日本国語大辞典』の2025年8月時点での最新版は第二版(2006年)です。
現在刊行されている国語辞書で唯一の大型辞書であり、初出またはそれに近い用例を載せているのが大きな特長です。用例の出典は『古事記』などの古典文学から現代の文学・雑誌に至るまで、非常に幅広いです。また、語源や言葉の歴史、方言などの解説も充実しています。挿絵は『広辞苑』や『大辞林』に比べると少なく、最小限に絞られている印象です。
アプリ版の『広辞苑』や『大辞林』では縦書きか横書きかの表示が選択できますが、アプリ版の『日本国語大辞典』としては「日本語は本来縦書きの言語だから、縦書きでしか表示させない」というスタンスのため、アルファベットの単語が混ざっていても横書き表示は選択できず、縦書き表示を徹底させています。しかし筆者は『広辞苑』と『大辞林』では横書き表示にしています(笑)
2025年8月現在、第三版に向けての改訂作業が進められているとのことで、デジタル版は2032年に完成予定だそうです。

複数辞書サーフィンの楽しみ方

今まで筆者は『広辞苑』サーフィン(『広辞苑』で気になった言葉をどんどん引いていく作業を私はこう呼んでいます)を楽しんでいましたが、新たに2つ国語辞典を購入したことにより、今度は複数辞書サーフィンを楽しむようになりました。
以下が複数辞書サーフィンの筆者なりの楽しみ方になります。
まず、ある言葉の意味について調べる際、アプリ内の全ての国語辞典で検索します。LogoVistaのアプリは1つのみで、その中に国語辞典が複数入っているので、同じ言葉をそれぞれの辞書で検索し、語釈や解説、イラストの有無や違いなどを楽しみます。場合によっては、ある辞書には記載されている項目が他の辞書には載っていないこともあります。
また、徹底的に調べ上げたい言葉がある場合は、全ての辞書で全文検索をかけて関連する項目を調べてみたりします。
他にも、クロスワードパズルで分からない問題があったら、全ての辞書でキーワードを全文検索して、ヒットした単語の中から解答と思われるものを調べ出したりします。

 

複数の国語辞典を所有するようになったことにより、辞書サーフィンが更に充実するようになりました。辞書によって編集方針が異なるため、その違いも楽しめるようになりました。
まだまだこれらの辞書には自分が見つけられていない言葉が沢山あるので、これからもどんどん辞書を活用していって、辞書サーフィンを楽しんでいきたいと思います!

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