ダバオ ― 東南アジアへの思い込みが消えた町

大学生のころ、私は人生で初めて東南アジア(タイとベトナム)に旅行しました。
そのときからです。東南アジアに苦手意識を持ちはじめたのは。
ぼったくりツアーを提案してくる、しつこい客引き。
パクチーをはじめ、香草をたくさん使った料理。
立っているだけで汗が出る、高温多湿の環境…。
インパクトは強かったのですが、正直、東南アジアを再訪したい気持ちにはなりませんでした。

それから8年後の2025年2月。
当時の仕事の関係で、フィリピンのダバオという町に2週間滞在することになりました。
環境に適応できるか不安な気持ちもありましたが、結果的にダバオは、私にとって思い出深い場所の一つとなりました。
このブログでは、そんなダバオを紹介します。

その1:人が良い

まず、前述したようなしつこい客引き、ぼったくりを図るタクシードライバーはほぼいません。
ガイドブックに載っているような場所でも、露店の人からの強引な勧誘はなし。
お店に入っても、しつこく押し売りされる心配もなく、ゆっくり商品を見て回ることができます。
発展途上国で散見される生活困窮者も、2週間で1度しか出会いませんでした。

フランクで明るい人が多い印象もあります。
ダバオという地域が親日というのも関係しているのでしょう。日本人であることがわかると、心から歓迎されている感覚を覚えます。
初めてジプニー(カラフルな装飾が特徴の乗合バス)に乗ったときのこと。
降り方がわからずキョロキョロしていると、混雑した車内の中で、周りの人がすぐ「どこで降りたいの?」と尋ねてくれました。
オープンな人柄に救われ、無事目的地で降りることができました。

また、現地の子どもたちからは、いつ何時もキラキラした目で見られます。物珍しげな視線というよりは、まるで憧れの人を見ているかのような視線を受けました。
何人かの学生からは、「写真を撮ってほしい」とお願いされました。
もちろん、日本では赤の他人から一度もお願いされたことがありません。
自己肯定感、かなり上がりました。

その2:食が安く、日本人の口に合う

円安が進んでいる中でも、ダバオのご飯は安いです。
チャーハンのようなご飯ものは100円台から食べることができ、500円もあれば複数のおかずを食堂で選ぶことができます。
また、私が苦手な香草類はほとんどの料理に入っておらず、味付けも醬油ベースのものが中心。
「シシグ」という豚肉の炒め物や、「アドボ」という煮込み料理は、多くの日本人が好むと感じました。

豚肉の炒め物「シシグ」のプレート

変わり種ですが、こんなローカル料理も有名です。

①ナマズ料理

日本でナマズ料理は一般的ではありませんが、ダバオではポピュラーな魚料理の一つです。
食感はウナギに似ており、ホロホロとした柔らかい身が特徴的。
川魚特有の臭みは若干感じたものの、新鮮で美味しかったです。
私はカレー煮や醬油の煮付けでいただきました。

ナマズのカレー煮

②バロット(孵化直前のあひるの卵をゆでたもの)

見た目はほぼゆで卵。塩をかけて食します。
固茹でのゆで卵の食感と風味に加え、鶏肉の食感や風味も混じります。
その場にいた日本人の友人は「おいしい」と話していましたが、私は苦手でした。

その3:自然をじっくり楽しめる

ダバオはフィリピン第3の都市。ですが、セブのような有名な観光地ではないため、人でごった返すことはありません。
かつての東南アジア旅行とは異なり、気ままに海のテラスでのんびり、広々とした山あいをマイペースに散策できました。
また、乾季に行ったことも関係しているかもしれませんが、湿度もそこまで高くありません。日本の夏よりよほど過ごしやすい環境でした。

この2週間を経て、一口に東南アジアといっても、様々なカルチャーや人々がいるのだと肌で実感しました。8年間持っていた固定観念は崩れさり、東南アジアという地域に改めて興味を示すきっかけにもなりました。一度「違うな」と感じても、その価値観はあっさり単純に塗り替えられる。ダバオは、そんなことを教えてくれた素敵な町です。

これからも固定観念にとらわれず、様々な場所に足を運び、私の世界を少しずつ広げていきたいです。

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